手組ホイールの組み方【ロードバイク・クロスバイク】

前準備

リムのバリ落とし

リムのニップル穴には製造時のバリが残っていることがあります。これは使用中にリムの中に落ちたりすることがあるので、リムバーなどを使い削り取っておきます。0.1gも減らないので軽量化にはなりませんが、ちょっとした心遣いです。

ニップルにまとめてオイルを塗る

ニップルをチャック袋に入れてCRE 5-56等を吹き付けて、馴染ませておきます。ホイールのテンションが上がったときに、スポーク-ニップル間やリム-ニップル間の摩擦の低減に有効です。

仮組みのシミュレーション

以下のルールを満たすように組み立てると自然と組み上がります。

  •  バルブ穴の直下では空気入れのためにスポークを交差させない
    • 【フリー側】
      • バルブ穴のすぐ左側に反ヌポークが入る
    • 【反フリー側】
      • 【イタリアン組】バルブ穴のすぐ左にヌポークが入る
      • 【JIS組】バルブ穴のすぐ左に反ヌポークが入る
  • ハブ穴とリム穴の位置関係(Nクロス、2×N本組)を守る

例えばフロントが6本組みの場合、以下のようになります。

リアがいわゆるヨンロク組のイタリアン組の場合、以下のようになります。

組み立て

スポークをハブに通す(右落とし・左落としの決め方)

まずハブにスポークを通しておきます。そしてここは非常に重要な操作です。

スポークの組み方によって異なりますが、6本組みと呼ばれる方法ではハブにスポークを通す時、外側から通すものと、内側から通すものが交互に来るようになります。ポイントは、組み方に合わせてスポークの落とす位置を決めることです。ヨンロク組の場合は以下のように通す必要があります。

「ハブ内側から外側に通した緑色スポーク」がいわゆる「ヌポーク」、「ハブ外側から内側に通したオレンジ色スポーク」がいわゆる反ヌポークです。他の組み方なら以下の通りに落としましょう。

組み方 編み方 落とし方
4本組(2クロス) イタリアン組 左落とし
JIS組 右落とし
6本組(3クロス) イタリアン組 左落とし
JIS組 右落とし
フリー側4本組
反フリー側6本組
(ヨンロク組)
イタリアン組 右落とし
JIS組 左落とし

残りのスポークは組みながら通すのがやりやすいでしょう。

フロントハブは左右対称なので、向きをよく確認しておきます。

スポーク先端にグリースを軽く塗る

まず、グリース・爪楊枝を用意しておきましょう。スポークのネジ部にグリスを手で薄く塗るといくつかいいことがあります。

  • 摩擦抵抗が減り締めやすくなる
  • 異材接触部間の腐食を緩和する
    • アルミリム/ブラスニップルの組み合わせの場合
    • アイレット付きリム/アルミニップルの組み合わせの場合

付きすぎた場合は、ウエスで余分なグリーズは拭き取りましょう。ニップルに潤滑を与えることで、スポークのテンションが緩みやすくなると考える人もいますが、それはありません。むしろロックタイト等の使用をオススメする方がいますが、後の振れ取り作業をやりづらくするだけです。

ゆるく仮留めしていく

リムの中にニップルを落とさないように気をつけながら、リムにニップルをはめ込み、ニップルとスポークを繋いでいきます。この時点で、きつくニップルを固定する事はしないでください。

ニップルに爪楊枝を挿して作業すると効率よく作業できます。ニップルをリムの中に落としてしまうこともないです。ニップルを付けるときは外れない程度に締めこみ、締めこみすぎないように注意します。そうしないと後半でスポークを通そうとしたとき、スポークが穴に届かなくなります。

イタリアンの場合は、フリー側のヌポーク(グリーン)、反フリー側の反ヌポーク(オレンジ)をはめていきます。グリーンの破線は奥側(フリー側)です。

こうすることで、ハブが完成状態と同じようにねじれてくれるので、最後までスポークがスムーズにはまってくれます。イタリアン組で左右ともヌポーク(グリーン)だけはめてしまうと、反ヌポークをはめるときにハブを強く拗じらないと固定できません。特に最後のほうのでハブがどこかに偏ってしまい、はめにくくなってしまいます。

次に、フリー側の反ヌポーク(オレンジ)、反フリー側のヌポーク(グリーン)をはめていきます。

フリー側のスポークが短いので、フリー側の反ヌポーク(オレンジ)を先にやることで、反フリー側のヌポーク(グリーン)が最後までスムーズにはまってくれます。

ネジ山が一山だけ見える様に仮組みしていく

仮留めが終わったら、マイナスドライバーやニップルレンチ(ニップル回し)等でネジ山が一山だけ見える様に締めこんでおきます。ネジ山の部分が隠れるまで締めても良いのですが、一山だけ見える様にした方が目視が楽で、この後にニップルを同じ回数だけ回していけば均等にテンションが掛かります。

ここまでで仮組終了です。

本締め

振れ取り台で本締めしていく

ニップルレンチで全てのニップルを同じ回数だけ締めていきます。締め始めた時は緩くても反対側位まで進むと引っ張られて固くなっていくので、一度に沢山締めないで何度かに分けて締め込む方が良いと思います。テンションを均等になってくれます。

抵抗が増えてきたら少量のオイルを注入する

ニップルとスポークの接点、ニップルとリムとの接点に少量のオイルを注入することで触れ取り時摩擦が減ります。特に、フリー側のニップルとリムとの接点はかなりの抵抗があるので、無理に進めず、適宜注入してください。

後半はスポークを固定しながら本締め

完成近くではスポークをプライヤーなどで挟みながらニップルを回します スポークの
捻れを防ぐ為です スポークの捻れは破断の原因の一つになります。

テンションメーターで確認する

馴染みだしする

完成前にはホイールに体重を掛け、しごいてやります各部の当りを出す為です。体重をかけてしごく→振れ取りを2回程度繰り返します。ホイールがキシキシと鳴くことがありますが、なじみが出ている証拠です。

一晩寝かして再度振れ取り

これで完成でもいいのですが、このホイールを一晩寝かしてやると尚良いですね 。ホイールを組み一晩経つとスポークテンションがわずかに下がります。
一晩寝かす事で交差部、ハブ、ニップル、リム等でわずかな変形や伸びが出てくるんでしょう。少しでも良いホイールにするなら、寝かせた次の日に仕上げをすることは結構大切な事なんですよ。

走行して再度振れ取り

10kmほど走行すると強くしごかれて、テンションが緩みます。少し振れが出ることもあります。特にラジアル組では。

ここで再度好みのテンションにしつつ、振れをとってやります。走行距離ごとに何度か振れ取りするのが理想ですが、2回程度やれば概ねOKです。

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